午後から夕方にかけて西向きの部屋が暑くなるのは、低い角度の西日が、断熱性能の低い窓を通って室内に直接入ってくることが主な原因と考えられます。対策の中心は、日ざしの熱を反射する「遮熱タイプ」のガラスを使った窓の見直しです。窓の位置で日射熱を抑えることで、午後の暑さのやわらぎと冷房の効きの安定が期待できます。
こんなお住まいのお話(モデルケース)
たとえば、西向きに大きな窓のあるリビングを思い浮かべてみてください。築十数年から二十数年ほどで、新築当時に一般的だったアルミサッシと1枚ガラス(単板ガラス)の窓がそのまま残っている、というお住まいは少なくありません。庭やバルコニーに面した掃き出し窓があり、日中はカーテンを開けて過ごしたい——そんな、明るさと開放感を大切にした間取りです。
こうしたお住まいでは、昼過ぎから夕方にかけて、西側の窓から強い日ざしが差し込みます。眺望や採光の良さが気に入って選んだ間取りでも、年々厳しくなる夏の暑さの前では、「午後になるとこの部屋にいるのがつらい」と感じられることがあります。特に、家族が集まって長い時間を過ごすリビングやダイニングが西向きの場合、その暑さは日々の暮らしの快適さに直結します。
念のため申し添えると、これは特定のどなたかの体験ではありません。西向きの窓を持つ多くのお住まいに共通して見られる傾向を、一つのモデルケースとして描いたものです。もしお心当たりがあれば、以下の原因と対策の考え方が、そのままご自宅にも当てはまる可能性があります。
西向きの部屋で起こりやすいこと
西日の入るお住まいでは、次のような状態が起こりやすくなります。午後2時を過ぎるころから、西側の窓ぎわが暑くなり、床やソファ、壁までが熱を持ちはじめます。いったん部屋全体が暖まってしまうと、エアコンを強めても温度がなかなか下がりません。
「冷房をつけているのに、窓ぎわにいると背中がジリジリと焼けるように暑い」——これは、西向きの窓を持つお住まいでよく聞かれる感覚です。夕方、家族が帰宅してくつろぎたい時間帯にちょうど暑さがピークを迎えるため、一日のなかで最も過ごしにくい時間が、最もリラックスしたい時間と重なってしまう、という悩ましさもあります。
さらに、涼しくしようと設定温度を下げ続けることで、冷房の電気代がかさみやすくなる、という悩みにもつながりがちです。「効きが悪いから下げる、下げるから電気代が上がる」という循環に入ってしまうと、夏のあいだじゅう、暑さと電気代の両方が気になり続けることになります。窓ぎわの家具やフローリング、畳などが日焼けしやすくなる、という点を気にされる方もいらっしゃいます。
なぜ、西日はこれほど暑いのか
夏の朝や夕方の太陽は、空の低い位置から差し込みます。真夏の東や西の窓は、低い角度の日ざしを正面から受けるため、実は冬の南向きの窓に匹敵するほどの日射熱を受けるとも言われています。
夏の冷房時に室内へ入ってくる熱の多くは、窓などの開口部を通って入ってくると言われています。窓・サッシメーカーの資料では、住まいに入る熱のうち夏はおよそ7割が窓から入るとされ、業界団体の資料でも、断熱性能の低い窓(アルミサッシと1枚ガラスの組み合わせ)の住宅では、その割合が7割を超えるという試算が示されています。
この試算は、アルミサッシと1枚ガラスのような断熱性能の低い窓を持つ住宅を前提にしたものです。こうした窓は、日ざしの熱をほとんどそのまま室内へ通してしまいます。西日の暑さが特につらく感じられるのは、「低い角度から差し込む強い日ざし」と「その熱を通しやすい窓」という条件が重なるためだと考えられます。
出典:日本建材・住宅設備産業協会/日本サッシ協会ほか。前提:アルミサッシと単板ガラスなど、断熱性能の低い窓を持つ住宅を想定した試算です。
西日対策の考え方 ― 鍵は「ガラスの選び方」
西日による暑さへの対策は、大きく2つの方向があります。1つは窓ガラスそのものを日ざしを遮る性能の高いものに変えること、もう1つは、今ある窓の内側にもう1枚窓を足す「内窓(二重窓)」にすることです。
どちらの場合も鍵になるのが、ガラスの選び方です。ガラスには、日ざしを取り込みやすい「断熱(日射取得)型」と、日ざしを遮る「遮熱(日射遮蔽)型」があります。東・西面のように強い日ざしが入る窓には、日射を遮る遮熱型のLow-Eガラスが適しています。Low-Eガラスは表面に目に見えない金属の膜をコーティングしたもので、この膜が日ざしの熱を反射し、室内への侵入を抑えます。
内窓とガラス交換のどちらを選ぶかは、お住まいの状況によります。内窓は、今ある窓を壊さずにその内側へ新しい窓を取り付ける方法で、工事が短時間で済み、費用も比較的抑えやすく、断熱・防音・結露対策のバランスがよいのが特長です。一方、既存のサッシが古くなっている、あるいは窓そのものを新しくしたいという場合には、ガラス交換や窓交換(カバー工法など)が選ばれます。西日の暑さ対策という目的であれば、まずは遮熱型ガラスを用いた内窓から検討する、というのが取り組みやすい入口になります。
なお、室内側のカーテンやブラインドでも日ざしはある程度さえぎれますが、これは熱が室内に入った後で受け止めることになります。窓の位置で日射熱そのものを抑えるほうが効果的とされているため、根本的な対策としては窓側での対応が中心になります。すだれやよしずのように窓の外側で日ざしをさえぎるものは、窓リフォームと併用することで、さらに効果が期待できます。
エコマド工房ではどう考えるか
窓を見直すと、どんな変化が期待できるか
遮熱タイプの窓に見直すことで、「午後の西日のジリジリとした感じがやわらいだ」「窓ぎわの不快な熱さが軽くなった」といった体感の変化が期待できます。窓のところで日射熱が抑えられると、部屋全体に熱がこもりにくくなり、冷房の効きも安定しやすくなります。
その結果、設定温度を無理に下げ続けなくてよくなる、というかたちで、夏の冷房の負担がやわらぐことも期待できます。ただし、どの程度変わるかは窓の大きさや方位、お住まいの条件によって異なります。ご自宅でどのくらいの変化が見込めるかは、窓の状態を確認したうえでご案内します。
よくあるご質問
窓の断熱リフォームは、先進的窓リノベ2026事業などの補助金の対象になる場合があります。使える制度や金額は、お住まいの窓の状態や申請時点の制度によって変わります。人気の制度のため、予算の上限に達すると年度の途中でも終了することがあります。「自分の家はどの制度が使えて、いくらくらいなのか」は、窓の写真をお送りいただければ個別にご案内します。
しつこい営業はいたしません。写真とご質問だけでも、お気軽にどうぞ。