上の階の部屋が夜になっても暑いのは、窓から入る日射熱に加えて、屋根や最上階の天井が受けた熱が下りてくることが主な原因と考えられます。東京では、狭小な三階建てやマンションの最上階など、上階に居室があるお住まいが多く見られます。対策は「窓」と「天井・屋根」の両面から考えるのが基本です。まず窓の遮熱・断熱を整えることで、夜の熱のこもりがやわらぐことが期待できます。
こんなお住まいのお話(モデルケース)
都内の住宅密集地に建つ、間口の狭い三階建て。あるいは、マンションの最上階のお部屋。東京では、限られた敷地を上に伸ばした住まいや、眺望のよい最上階が、数多くあります。こうしたお住まいでは、寝室や子ども部屋が上の階に置かれることが一般的です。
日中は家族が仕事や学校で不在になり、窓を閉め切りがちです。そして帰宅した夕方や就寝時に、階段を上がると「むわっとした暑さ」を感じる——これは、上の階に居室のある多くのお住まいで見られる状態です。屋根のすぐ下にあたる最上階は、日中に屋根が受けた熱の影響を、最も受けやすい場所でもあります。
築年数が経っているお住まいでは、天井裏の断熱が十分でない場合もあります。1階は比較的過ごせても、上に行くほど空気が変わる、というのは、上階ならではの熱のこもりやすさによるものです。これは特定のお住まいの話ではなく、上階に居室を持つ住まいに広く見られる傾向を、一つのモデルケースとして描いたものです。
上の階の部屋で起こりやすいこと
上の階のお部屋では、昼間の熱がこもって、夜になっても暑くて寝苦しい、という状態が起こりやすくなります。エアコンを入れてもなかなか温度が下がらず、結局朝までつけっぱなしになってしまう、というお悩みにもつながりがちです。
特に寝室の場合、夜の暑さは睡眠のとりにくさに直結します。「エアコンをつけないと暑くて眠れないが、つけたままだと今度は寝冷えや電気代が気になる」といった、悩ましい状況になりやすいのも、上階の部屋の特徴です。夜中に暑さで目が覚めてしまう、朝起きても疲れが取れた気がしない、といった声につながることもあります。
東京では、日が落ちても気温が下がりにくいことが知られています。「窓を開けても、入ってくるのは生ぬるい空気だけ」「夜風で涼をとる、という感覚がなくなった」——都心部では、こうしたお声も少なくありません。加えて、住宅が密集している地域では、窓を開けても風が通りにくい、防犯や騒音の面で夜に窓を開けたくない、という事情も重なります。自然の風に頼りにくいぶん、室内に熱をためない工夫が、より大切になります。
なぜ、上の階は夜まで暑いのか
上の階が暑くなるのには、2つの熱の入口が関係しています。1つは窓から入る日射熱、もう1つは、屋根が日中に受けた熱が天井を通じて室内へ下りてくることです。屋根のすぐ下にある最上階は、この影響を最も強く受けます。
夏の冷房時に室内へ入ってくる熱の多くは、窓などの開口部を通って入ってくると言われています。窓・サッシメーカーの資料では、住まいに入る熱のうち夏はおよそ7割が窓から入るとされ、業界団体の資料でも、断熱性能の低い窓(アルミサッシと1枚ガラスの組み合わせ)の住宅では、その割合が7割を超えるという試算が示されています。
日中に閉め切った部屋では、こうして入った熱が逃げ場を失い、夜まで持ち越されます。窓の断熱・遮熱が不十分だと日射熱の侵入が大きくなり、天井側の断熱が薄いと屋根からの熱も伝わりやすくなります。つまり上階の暑さは、「窓」と「天井・屋根」の両方から考える必要がある、というのがポイントです。
出典:日本建材・住宅設備産業協会/日本サッシ協会ほか。前提:アルミサッシと単板ガラスなど、断熱性能の低い窓を持つ住宅を想定した試算です。
上階の暑さ対策の考え方 ― 窓から、必要なら天井も
まずは窓の遮熱・断熱を整えることが基本です。寝室であれば、遮熱タイプのガラスを使った内窓で、日射熱の侵入を抑えることが有効と考えられます。窓は、比較的手をつけやすく、体感の変化も感じやすい部分です。
そのうえで、暑さが強い場合には、天井・屋根側の断熱(断熱材の吹き込みや吹き付けなど)を組み合わせると、上階全体の熱のこもりを抑えやすくなります。屋根から下りてくる熱を天井のところで受け止めることで、部屋にこもる熱そのものを減らす、という考え方です。戸建ての三階建てであれば、この天井断熱まで含めた検討が可能です。
マンションの最上階の場合、屋根(屋上)は共用部分にあたるため、個人で手を加えることはできません。その場合は、窓の断熱・遮熱をしっかり行うことが、専有部分でできる最も現実的な対策になります。あわせて、内窓による外気の遮断が、室内の温度を保ちやすくします。
いきなり大がかりに考える必要はなく、「まず遮熱型の内窓で窓からの熱を抑え、必要に応じて天井断熱を足す」という段階的な進め方が現実的です。どちらがどの程度必要かは、お住まいの造りによって変わります。
エコマド工房ではどう考えるか
窓を見直すと、どんな変化が期待できるか
窓と、必要に応じて天井の断熱を整えることで、「夜の寝室の暑さのこもり方がやわらいだ」「寝つきや睡眠の質に良い変化を感じやすくなった」といった変化が期待できます。日中の熱が室内に持ち越されにくくなることで、就寝時の環境が整いやすくなります。
また、内窓は外の音を軽減する効果も期待できます。東京では、夜間の車の音や、線路・幹線道路沿いの騒音が気になるお住まいも少なくありません。「窓を閉めたまま静かに眠れるようになった」という変化を感じられることがあります。
なお、室内の温度環境と睡眠や健康との関わりについては、さまざまな関連が報告されています。ただし、これは治療や予防を保証するものではなく、あくまで快適性の向上を通じた変化として捉えていただくものです。どの程度変わるかは、お住まいの条件によって異なります。
よくあるご質問
窓の断熱リフォームは、先進的窓リノベ2026事業などの補助金の対象になる場合があります。東京では、国の制度に加えて東京都の制度(クール・ネット東京)や、お住まいの区市町村独自の制度が関わる場合があります。それぞれ要件や財源が異なり、組み合わせられるかどうかは条件によって変わります。制度は年度ごとに見直され、予算の上限に達すると年度の途中でも終了することがあります。「自分の家はどの制度が使えて、いくらくらいなのか」は、窓の写真をお送りいただければ個別にご案内します。
しつこい営業はいたしません。写真とご質問だけでも、お気軽にどうぞ。